森林・竹林・里山のために


 森林は、人類が生存のために欠かすことのできない有用で貴重な資源です。人類が地球上で永続的に存続していくためには、森林が重要な役割を担っていること認識しなければなりません。

 森林の生物共同体のことを「森林の生態系」といいます。森林はこの「森林の生態系」のサイクルにより成り立っています。空間に太陽光・空気・雨・風があり、樹木が成長します。成長した樹木は、葉が光合成して萌芽しそれが動物たちの餌となり、おちて落葉となった葉は土壌の養分となり、枯れて倒れた樹木や動物たちの糞や死骸も、土壌の養分となって新たな命を育む栄養分となります。土壌は地中のバクテリアにより養分の分解と水の涵養を行います。つまり、森林を取り巻く環境と、森林を作っている生物体との間には、物質(水)と太陽(エネルギー)のサイクルが結ばれているのです。この「森林の生態系」のつながりが一つでも機能不全になると、森林の力は人類に恩恵をもたらすものではなくなり、温暖化や異常気象や土壌悪化などの原因となり、人類の生存に大きな脅威となってしまうのです。

「生物多様性」とは、人間も含めた動物、植物、微生物など、あらゆる命が様々につながり合い支え合うことを意味しています。「生物多様性」には、種の多様性、相互作用の多様性、生態系の多様性、遺伝的な多様性などに分けることができます。今このすべての生物多様性が、人間の際限のない経済活動の影響により危機に瀕しております。目先の経済効果を求めて大量に木々を伐採し、山を壊して海を埋め立て、有害な煙をまきちらして空気を汚し、農薬で益虫も害虫も排除してしまった結果、自然の法則である命のつながりが失われようとしているのです。

 森林や里山の多くは荒廃しています。杉・檜は植林後30年から60年くらいで伐採され木材として利用されてきましたが、近年価格面で洋材に立ち打ちできず、山間部の過疎化や作業員の高齢化なども重なって放置され荒廃がすすんでいます。このような手入れの放置された民有林が全国各地いたるところにあります。経済的理由と行政などの取り組みの遅れにより、ほとんど整備が進んでおりません。国有林や自治体管理林などでも地域によって整備の遅れが目立ってきています。今後、環境を改善するためには現況に則した山林整備の仕組みを早急につくりあげていく必要があります。

 森林と竹林と里山は保水機能を有しており、人類にとって欠くことのできない「水」の涵養にも大きな影響を与えています。この自然からの貴重な贈り物である「水」は、陸地では作物をそだて、海では魚をそだて、私たちの生存にとってなくてはならないものなのです。私たちは「自然」に感謝し、きれいな「水」の保全にも努めていくことが必要です。

 昨今の荒廃して荒れ果てた森林の状況を改善するためには、森林に対する見方を意識的に改革し、「森林の生態系」を再生させるための処置が必要です。私たちは命のつながりを意識し、豊かな自然を次世代へ継承させるための責務があるのです。
    

森林ボランティアへの取り組み